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令和3年06月25日 ブログ
昨今の時勢を踏まえ、今年度は特別展をWeb上で開催いたします。
「美枝きもの資料館」所蔵品をぜひともご覧ください。
今回は以前ご好評いただきました「働き着」について、明治・大正時代に実際に使われたものを掲載いたします。
「麻のつぎはぎの野良着」
(明治時代)
滋賀県の方からの寄贈品。たくさんのつぎはぎがされた野良着で、つぎはぎの寄せ裂をすることが家の豊かさを示すことになったり、弱い子のために丈夫な子供の裂をあちこち貰い集めてきものを縫ったりしました。
「毎年、7,8月ごろ山仕事で着ました。内側にたくさん裂が重なってついているので汗をかいてもべたつかず、常にさらっとして涼しくて、新しいものなど使う気になれなかった…」(持ち主談話)
「ぼろ織り働き着」
(明治時代)
いろいろな色の裂を細く割いて撚りをかけて緯(よこ)糸に織り込んだのが、意図せずに自然な美しい「やたら縞」を作っています。
やたら縞…縞織物のひとつ。縞模様の感覚や色の配列が不規則に織られたもの。
(左)かもや
大正~昭和時代
(右)にんじり
明治以後
かもやは袖なしの短衣で、海や畑などで野良着に用いたもの。
にんじりは袖なしの短衣で、大小の入子菱(いりこびし)風の模様が刺してある。
秋田県で作られたもの。
入子菱風模様
万祝(まいわい)
大正時代
大漁袢纏(たいりょうばんてん)ともいう。房総半島で、鰹やいわし漁の船主が、一年の漁が
一定の額以上に達するとこれを祝って乗り組みの漁師たちに与えたもの。